このたび、慶應義塾大学医学部脳神経外科が主催となり、2024年11月7日から8日にかけて、第31回 日本神経内視鏡学会を開催いたしました。大会長を務めた当科教授 戸田正博のもと、「未来の手術 -さらなる挑戦-」をテーマに掲げ、神経内視鏡手術のさらなる発展を目指した活発な議論が繰り広げられました。多くの方々にご参加をいただき、盛会のうちに終了しましたことをご報告申し上げます。
神経内視鏡手術は、高精細な内視鏡および外視鏡を駆使した各種アプローチにより、さらなる低侵襲手術の実現と発展が期待される分野です。本学術集会では、神経内視鏡手術の最前線に立つ国内外のエキスパート、将来を担う若手脳神経外科医が一堂に会し、以下のようなプログラムを通じて、未来の神経内視鏡手術のあるべき姿、それに向けた挑戦について白熱した議論が交わされました。
• 特別講演:
藤田医科大学 総合消化器外科 須田康一主任教授に、外科医療における最先端のロボット支援手術の現状や、遠隔手術・教育への応用など今後の展望についてご講演いただきました。
• シンポジウム:
鏡視下手術の標準化に向けた取り組み、未来の鏡視下手術を見据えた新たな取り組みに関する演題が発表されました。また、Sungkyunkwan UniversityのDoo-sik Kong教授に最先端の内視鏡頭蓋底手術について、慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科の小澤宏之教授に耳鼻咽喉科との協力体制によるチーム手術について基調講演をいただきました。
• IFNE(International Federation of Neuroendoscopy)Satellite Symposium:
Álvaro Córdova先生(Montevideo, Uruguay)、 Joachim Oertel先生(University of Saarland, homburg, Germany)、Sandi Lam先生(Northwestern University Feinberg School of Medicine, Chicago, USA)、Stephan Wolfsberge先生(Medical University Graz, Austria)に、最前線の神経内視鏡手術をご紹介いただきました。
本学術集会を通じ、未来に受け継がれるべき神経内視鏡手術の方向性や、今後克服すべき課題について再考する貴重な機会となりました。多くのエキスパートによる議論と知見の共有により、神経内視鏡手術の発展に向けた新たな一歩を踏み出せたと確信しております。
最後になりましたが、本学術集会の成功は、参加者および関係者の皆様の多大なるご支援とご尽力によるものです。心より感謝申し上げます。