2024年7月16日(火)―18日(木）に、戸田正博教授の下、パシフィコ横浜会議センターにて第30回 日本遺伝子細胞治療学会学術集会が開催された。本学会は患者の健康増進のために遺伝子細胞治療を発展させるべく、基礎と臨床の連携により多くの成果を上げてきた学会である。学術集会テーマは革新的医療の創出であり、貴重な基礎研究での成果をいかに臨床の舞台に上げるかに焦点を当てた会となった。実臨床に携わる者として、いかにスムーズに新たな治療法を難病患者に届けるかは日々感じる課題である。特別講演として、本国から古川俊治先生、岡野栄之先生、桜田一洋先生、藤堂具紀先生、海外からMaciej S. Lesniak先生、Juan A. Bueren先生、Terence R. Flotte先生、中島大先生をはじめとする著名な先生方が登壇し、ウイルスや細胞を用いた遺伝子治療・再生医療や最新のゲノム編集技術、そして行政での取り組みに至るまで幅広く講演頂いた。若手研究者にとって、本国や海外の御高名な先生方の最新の成果を聞くことができ、さらに直接議論することもできる機会となった。実際に講演を終えられた先生方に直接質問を希望する若手研究者の列ができている大変活発なシーンもあった。これから遺伝子治療を志す者、現在まさに注力している者、また指導的立場にある者すべてにおいて大変有意義な会になった。私としても大学院から継続している遺伝子細胞治療を臨床の舞台に届けたいという思いをより一層強くする学会となった。引き続き、日本発・世界に届ける革新的医療の実現を目指していきたい。
 
慶應義塾大学医学部　脳神経外科
田村亮太