コロイド嚢胞

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TARGET DISEASE

コロイド嚢胞

概要

コロイドのう胞は脳室内にできる腫瘍性病変ですが、実際は腫瘍ではありません。生まれつきあるもので、徐々にのう胞内にコロイド状の液体や固体がたまってきます。
第3脳室という場所にできることが多く、大きくなると水頭症を発症し、頭痛、嘔気などの症状が出る疾患です。20~50歳台に好発し、男性に多い傾向があります。

原因・症状

原因は不明です。遺伝的な要素も明らかではありません。

症状は水頭症による頭痛、嘔気・嘔吐が多く、他に健忘や感情障害などの精神症状を認めることがあります。

 

検査・診断

単純CTでモンロー孔付近の正中部に高~等吸収域の円形の腫瘤を認めることで診断が可能です。MRIではT1, T2で高信号を認めます。造影はされません。

水頭症を認める場合は、左右対称性の側脳室の拡大を認めます。第3脳室、第4脳室の拡大は認めませ

ん。

最大径が1.5cmを超えてくると症状を出してくると言われています。

 
検査・診断

図1:コロイド嚢胞の画像 右上:CT写真 他は単純MRI(T1)

治療法(手術)

サイズが1cm未満で水頭症をきたしていないものは経過観察で大丈夫です。

サイズが増大し、水頭症や明らかな脳室拡大を認めてきた場合は手術が必要です。

以前は開頭手術で摘出していた時代もありますが、侵襲が大きいため、現在は神経内視鏡手術でのう胞璧摘出、のう胞内容の除去を行います。第3脳室の天井からぶら下がるような形で存在するため、慎重に引きずり出すようにして、のう胞璧を可及的に摘出します。大事な静脈が璧に強固に癒着している場合は無理して損傷させると重篤な合併症が出るので、内容物の吸引や除去のみで終了する場合があります。その場合の再発率が少し上がります。のう胞を摘出すれば水頭症は解除されるので、シャント手術など、水頭症に対する手術は必要ありません。

 
治療法(手術)

図2:コロイド嚢胞に対する神経内視鏡手術(上3枚)と図1症例の摘出後MRI(静脈に癒着している部分のみ残存)

治療後経過

のう胞全体が摘出されている場合には再発はほとんどありませんが、のう胞内容除去のみや、璧が大きく残っている場合は再発の可能性があるため定期的にフォローを行います。多少の再増大を認めても症状がない場合は経過観察で様子をみます。

慶應脳外科としての取り組み

以前より神経内視鏡を用いた手術を行っており、良好な治療成績をあげています。硬性鏡・軟性鏡を併用し、多数の器具を使用することにより、安全、かつ確実な手術を行っています。

本疾患の脳神経外科 担当医師は
三輪 点

外来:毎週木曜日 午前(脳外科外来)、第2,4金曜日 午前(小児科外来) です。 

受診をご希望の患者さんへ

外来受診については、慶應義塾大学病院のホームページ内の「初めて受診する方」に詳細をお示ししておりますが、「予約制」「紹介制」をとらせていただいています。

  • 一人一人の患者さんを十分に診察、説明させていただきたく、またお待ちいただく時間を短縮するために、外来は予約制とさせていただいております。

  • 予約の際には、ご病状を速やかに把握させていただくため、現在かかりつけの医療機関からの紹介状をお持ちいただくようお願い申し上げます(紹介制)。これまでに受けた検査(MRIやCTなどの画像検査、採血検査など)の結果もお持ちいただけますとたいへん助かります。

  • お手数をおかけいたしますが、かかりつけの医療機関から、下記の予約方法で本疾患担当医師の外来を予約していただきたく存じます。


<脳神経外科外来の予約方法>
外来予約窓口:(電話)03-3353-1257 にお電話ください。
※外来予約窓口 受付時間:月~金曜日 8:30~19:00
(土曜日は17:00までの受付となります)
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