原因は不明です。遺伝的な要素も明らかではありません。
症状は水頭症による頭痛、嘔気・嘔吐が多く、他に健忘や感情障害などの精神症状を認めることがあります。
単純CTでモンロー孔付近の正中部に高~等吸収域の円形の腫瘤を認めることで診断が可能です。MRIではT1, T2で高信号を認めます。造影はされません。
水頭症を認める場合は、左右対称性の側脳室の拡大を認めます。第3脳室、第4脳室の拡大は認めませ
ん。
最大径が1.5cmを超えてくると症状を出してくると言われています。
サイズが1cm未満で水頭症をきたしていないものは経過観察で大丈夫です。
サイズが増大し、水頭症や明らかな脳室拡大を認めてきた場合は手術が必要です。
以前は開頭手術で摘出していた時代もありますが、侵襲が大きいため、現在は神経内視鏡手術でのう胞璧摘出、のう胞内容の除去を行います。第3脳室の天井からぶら下がるような形で存在するため、慎重に引きずり出すようにして、のう胞璧を可及的に摘出します。大事な静脈が璧に強固に癒着している場合は無理して損傷させると重篤な合併症が出るので、内容物の吸引や除去のみで終了する場合があります。その場合の再発率が少し上がります。のう胞を摘出すれば水頭症は解除されるので、シャント手術など、水頭症に対する手術は必要ありません。
のう胞全体が摘出されている場合には再発はほとんどありませんが、のう胞内容除去のみや、璧が大きく残っている場合は再発の可能性があるため定期的にフォローを行います。多少の再増大を認めても症状がない場合は経過観察で様子をみます。
以前より神経内視鏡を用いた手術を行っており、良好な治療成績をあげています。硬性鏡・軟性鏡を併用し、多数の器具を使用することにより、安全、かつ確実な手術を行っています。
本疾患の脳神経外科 担当医師は
三輪 点
外来:毎週木曜日 午前(脳外科外来)、第2,4金曜日 午前(小児科外来) です。
外来受診については、慶應義塾大学病院のホームページ内の「初めて受診する方」に詳細をお示ししておりますが、「予約制」「紹介制」をとらせていただいています。
当院ホームページにご紹介に関する詳細をご説明しています。
こちらよりご確認ください。