転移性脳腫瘍

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TARGET DISEASE

転移性脳腫瘍

概要

転移性脳腫瘍は、他臓器がんが血流を通して脳に遠隔転移したものです。転移性脳腫瘍の原発がんとして頻度の高いものは、肺がん(51.9%)、乳がん(9.3%)、腎がん(5.3%)、胃がん(4.8%)、結腸がん(5.4%)です。
転移性脳腫瘍の治療方針を決める際には、脳転移の大きさ、転移の数、転移の場所などの脳転移に関する情報だけでなく、原病の状態(原病に対する治療状況、他臓器転移の有無など)、脳転移がないと仮定したときに推測される経過、患者さんのADL(日常生活動作レベル)、患者さんと家族の考えなどが重要です。

原因・症状

脳は一定容積の頭蓋骨という入れ物に収まっており、そこに腫瘍ができたことや、脳の腫れによる脳そのものの大きさの増加により、頭蓋内の圧の上昇をきたします。圧の上昇は頭痛・嘔吐や意識障害を引き起こします。もうひとつは、腫瘍が周辺の脳組織を直接損傷し、それに伴う神経障害が出現します。てんかん発作や腫瘍内部での出血による急激な腫瘍の増大によって、症状が急速に進行することもあります。

検査・診断

検査は造影剤を使用した頭部CT、MRIで行います。

治療法(手術)

脳転移巣に対する治療は、腫瘍摘出術、定位的放射線治療、従来の放射線治療、原発巣に対する化学療法などを組み合わせて行います。血液脳関門の存在のため、一般に脳転移に対しては化学療法(抗がん剤治療)の有効性は低いとされています。径3 cm以下の小さな病変には定位的放射線治療が有効であることが多く、進行例や高齢者に良い適応があり、多数の小病変があれば全脳放射線照射の適応となります。

一方、単発性の大きな腫瘍などは手術摘出の適応となります。患者さんの状態によっては、水頭症に対する脳室腹腔シャント術や腫瘍周囲の脳浮腫を軽減するためのステロイド投与など症状緩和を目的とした治療のみが行われることもあります。

治療後経過

原発巣のコントロールにより生存率は改善されつつあります。脳転移が認められても、治療により局在症状、脳圧亢進症状の除去をはかることでより良い生活を回復、維持することが可能です。

慶應脳外科としての取り組み(特長)

当院では患者さんの年齢や全身状態を総合的に検討し、患者さんやご家族、原発巣の主治医、放射線治療科と相談して治療方針を決めていきます。

受診をご希望の患者さんへ

外来受診については、慶應義塾大学病院のホームページ内の「初めて受診する方」に詳細をお示ししておりますが、「予約制」「紹介制」をとらせていただいています。

  • 一人一人の患者さんを十分に診察、説明させていただきたく、またお待ちいただく時間を短縮するために、外来は予約制とさせていただいております。

  • 予約の際には、ご病状を速やかに把握させていただくため、現在かかりつけの医療機関からの紹介状をお持ちいただくようお願い申し上げます(紹介制)。これまでに受けた検査(MRIやCTなどの画像検査、採血検査など)の結果もお持ちいただけますとたいへん助かります。

  • お手数をおかけいたしますが、かかりつけの医療機関から、下記の予約方法で本疾患担当医師の外来を予約していただきたく存じます。


<脳神経外科外来の予約方法>
外来予約窓口:(電話)03-3353-1257 にお電話ください。
※外来予約窓口 受付時間:月~金曜日 8:30~19:00
(土曜日は17:00までの受付となります)
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