てんかん

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TARGET DISEASE

てんかん

こんなお悩みはありませんか?
  • 抗てんかん薬を飲んでいるのに、発作が止まらない・くり返す
  • 薬の量や種類が増えてきた、副作用がつらい
  • 「手術という方法がある」と聞いたが、自分が対象になるのか分からない

薬で十分に抑えられないてんかん(難治性てんかん)は、手術で発作が止められることがあります。まずは正確な診断から始めましょう。

てんかんとは

てんかんは、脳の神経細胞が一時的に過剰に興奮することで、発作をくり返す脳の慢性疾患です。発作は突然起こり、けいれん・意識の変化・感覚や行動の異常など、興奮する脳の場所によってさまざまな症状が現れます。
てんかんは子どもから高齢者まで、どの年代でも発症します。日本では約100万人(およそ100人に1人)がてんかんをもつといわれる、決してめずらしくない病気です。多くは薬で発作をコントロールできますが、薬だけでは抑えきれない場合に、手術という選択肢があります。

当科が力を入れていること

当科は、てんかんを専門とする外科チームとして、正確な診断と、一人ひとりに合わせた治療に力を入れています。とくに次の3つを大切にしています。

長時間ビデオ脳波
モニタリングによる
精密な診断

入院して発作そのものをとらえ、発作の出どころ(焦点)を見きわめます。

ていねいな薬剤調整

発作の型に合った薬を選び、効果と副作用のバランスを見ながら調整します。

てんかん外科手術

薬で抑えられない発作に対し、焦点を取り除く手術などで根本的な改善をめざします。

てんかん治療の流れ:診断から治療まで

図1:診断から治療までの流れ。薬で抑えられない場合に手術評価へ進みます。

検査・診断

てんかんの診断では、まず問診と診察がとても大切です。発作時のご本人の様子は本人が覚えていないことが多いため、そばで見ていたご家族の証言が大きな手がかりになります。スマートフォンなどで発作の様子を撮影しておくと、診断にとても役立ちます。
そのうえで、MRI・CT・PETなどの画像検査と、脳波検査を組み合わせます。これらを総合して、てんかんかどうか、どの種類のてんかんかを見きわめ、似た症状の他の病気(失神・低血糖など)と区別します。

長時間ビデオ脳波モニタリング

発作は外来の短い検査の間には起こらないことが多いため、当院では入院して数日間、脳波とビデオを同時に記録し続ける「長時間ビデオ脳波モニタリング」を積極的に行っています。発作のときの脳波と実際の症状を照らし合わせることで、発作の出どころ(焦点)を精密にとらえることができます。これは、手術で治せるてんかんかどうか、どこを治療すればよいかを判断するための、最も重要な検査のひとつです。また、外来では捉えきれなかった異常も見つけることができ、診断自体の決め手とすることもできます。

図2:入院して発作時の脳波と症状を記録し、発作の焦点を特定します。

治療法

1. 薬物療法(抗発作薬の調整)

治療はまず薬から始めます。てんかんには多くの種類があり、発作の型に合った薬を選ぶことが大切です。当院では、発作を抑える効果と副作用のバランスを見ながら、量や組み合わせをていねいに調整します。多くの方は、適切な薬で発作をコントロールできます。

2. てんかん外科手術

適切な薬を2種類以上、十分に使っても発作が止まらない状態を難治性てんかんといいます。この場合、日常生活への影響が大きいため、手術で発作を止められないかを検討します。

焦点切除術/海馬扁桃体切除術:

発作の出どころ(焦点)がはっきりしている場合、その部分を取り除きます。海馬硬化症を伴う内側側頭葉てんかんの場合は、海馬扁桃体切除術が行われます。根治的手術にあたりますので、発作消失が期待できる治療方法です。

頭蓋内電極留置術(SEEG):

頭皮につける通常の脳波や、MRI、PETなどの画像検査だけでは、どこに焦点があるかはっきりしない場合があります。どこか特定の部位に発作の出どころがある場合、しかしその部位を絞りきれない場合は、頭蓋内電極留置術を行います。その上で、長時間ビデオ脳波モニタリングと同様に脳波を記録して、発作の出どころを見つけにいきます。

脳梁離断術:

全般てんかんや多焦点てんかん(発作の出どころが左右大脳にまたがって複数存在するとき)で、突然の発作のために倒れて怪我をしてしまうような場合、かつ焦点を取り除く手術が難しい場合は、脳梁離断術が行われます。左右大脳を連絡する脳梁という接続を手術によって断つことで、一気に大脳全体に起こる興奮を緩和させてあげるという治療です。

迷走神経刺激療法(VNS):

焦点が一か所に定めにくい場合や、開頭手術がむずかしい場合には、首の迷走神経に刺激装置を巻きつけ、発作を軽くする治療を行うことがあります。発作を完全に止めるものではなく、発作の回数や程度をやわらげることを目的とします。

脳深部刺激療法(DBS):

焦点てんかんであることは間違いなさそうだが、重要な機能を担っている脳部位のため切除が困難な場合、切除するには焦点範囲が広い場合、開頭手術が難しい場合には、視床前核という部位に電極を挿れて刺激をし、発作を軽くする治療を行うことがあります。迷走神経刺激療法と同様に、発作を完全に止めるものではなく、発作の回数や程度をやわらげることを目的とします。

てんかん外科治療の種類

図3:てんかん手術の主な方法。焦点を取り除く手術と、迷走神経刺激療法(VNS)。

手術でどのくらいよくなりますか

手術の効果はてんかんの種類によって異なりますが、適切に焦点を特定できた側頭葉てんかんでは、手術によって多くの方で発作が止まる、または大きく減ることが報告されています。

項目目安
側頭葉てんかんの手術 多くの方で発作が消失、または大きく減ることが報告されています
薬だけの場合との比較 適応のある方では、薬を続けるより手術のほうが発作が止まりやすいとされています
緩和的手術
(脳梁離断、VNS、DBS)
焦点を取り除けない場合の選択肢。発作の回数や程度をやわらげます
手術後の薬 手術後も当面は薬を続け、経過をみながら調整します

※手術の効果や対象となるかは、てんかんの種類や焦点の場所によって異なります。手術には合併症のリスクもあるため、長時間ビデオ脳波などの評価をふまえ、一人ひとりに合わせてご説明します。

慶應義塾大学病院 脳神経外科の特長

発作をとらえる精密診断:

長時間ビデオ脳波モニタリングで発作の焦点を見きわめ、手術で治せるてんかんかを判断します。

薬から手術まで一貫した治療:

薬剤調整、焦点を取り除く手術、VNSまで、状態に応じた最適な治療を選べます。

多職種チーム体制:

脳神経外科・神経内科・精神科・小児科・検査部門が連携し、診断から手術、その後まで支えます。

ていねいな説明と相談:

予約制でお一人おひとりに十分な時間をとり、納得して治療を選べるようご説明します。

よくあるご質問(FAQ)

Q. どんな人が手術の対象になりますか?

適切な薬を十分に使っても発作が止まらない「難治性てんかん」の方が対象になりえます。まず長時間ビデオ脳波などの検査で、手術で治せるてんかんかどうかを調べます。

Q. 手術というと不安です。脳を手術して大丈夫ですか?

手術は、発作の焦点を精密に特定したうえで、必要な部分にしぼって行います。とくに側頭葉てんかんでは、機能を保ちながら発作を止められる可能性が高い手術です。リスクについても検査結果をふまえて十分にご説明します。

Q. 長時間ビデオ脳波モニタリングは何日くらい入院しますか?

発作のとらえやすさによりますが、数日間の入院で行うことが一般的です。安全に発作を記録できるよう、スタッフが見守ります。

Q. 手術をすれば薬はやめられますか?

手術後もしばらくは薬を続け、経過をみながら調整します。発作が長く止まっていれば、減らせる場合もあります。

Q. 受診したいのですが、何を持っていけばよいですか?

当院は予約制・紹介制です。かかりつけの医療機関からの紹介状と、これまでのMRI・CT・脳波などの検査結果、お薬手帳をお持ちいただけると、診察がスムーズです。発作の様子を撮影した動画があれば、ぜひお持ちください。

ご不明点など、下記お問い合わせフォームに直接ご相談いただけますと幸いです。

本疾患の脳神経外科 担当医師は
小杉 健三
外来:毎週火曜日午前午後です。 

難治性てんかんに関するご相談は、以下フォームよりお問い合わせください。

受診をご希望の患者さんへ

外来受診については、慶應義塾大学病院のホームページ内の「初めて受診する方」に詳細をお示ししておりますが、「予約制」「紹介制」をとらせていただいています。

  • 一人一人の患者さんを十分に診察、説明させていただきたく、またお待ちいただく時間を短縮するために、外来は予約制とさせていただいております。

  • 予約の際には、ご病状を速やかに把握させていただくため、現在かかりつけの医療機関からの紹介状をお持ちいただくようお願い申し上げます(紹介制)。これまでに受けた検査(MRIやCTなどの画像検査、採血検査など)の結果もお持ちいただけますとたいへん助かります。

  • お手数をおかけいたしますが、かかりつけの医療機関から、下記の予約方法で本疾患担当医師の外来を予約していただきたく存じます。


<脳神経外科外来の予約方法>
外来予約窓口:(電話)03-3353-1257 にお電話ください。
※外来予約窓口 受付時間:月~金曜日 8:30~19:00
(土曜日は17:00までの受付となります)
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