不随意運動症(本態性振戦、パーキンソン病、ジストニアなど)

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TARGET DISEASE

不随意運動症
(本態性振戦、パーキンソン病、ジストニアなど)

概要

不随意運動とは自分の意思とは関係なく、体が勝手に動いてしまう現象を指します。体の一部だけ(手の震えや、顔のピクツキ、足のむずむずする感じ等)の軽微なものから、全身に及ぶものまで含まれます。主な不随意運動の種類としては、振戦、舞踏病様運動、 バリスム、アテトーゼ、ジストニア、 ジスキネジア、ミオクローヌス、痙攣(spasmとcramp)などがあります。

原因・症状

原因疾患はパーキンソン病などの特発性の疾患、脳梗塞などの脳血管障害、薬剤性、遺伝性疾患によるものがあります。

検査・診断

診察には神経学的診察のほか、血液検査、画像診断、電気生理学的検査、場合によってはビデオ撮影などによる症状の詳細な解析が必要となります。

治療法(手術)

薬物療法から治療を開始しますが、症状が薬では抑えることのできない場合や、薬の副作用が出現する場合には脳深部刺激療法(DBS: deep brain stimulation)などの外科手術が必要となります。脳深部刺激療法は、脳のペースメーカーのようなシステムを用いた治療法で、脳内の電極とこれに電流を与えるための前胸部皮下に置かれるパルス発生器(IPG)により構成されています。両者は前頭部から前胸部まで皮下を通じて延長コードで接続されます。

脳内の電極先端の位置(刺激部位)は、疾患、症状により異なりますが、視床、淡蒼球内節(たんそうきゅうないせつ)、視床下核などといわれる脳の中心深部です。前胸部のIPGは、磁力を利用したコントローラにより皮膚上よりセッティングされ、症状の変化に対応した刺激部位や刺激パラメータの微妙な調整が可能となります。

治療法(手術)

治療後経過

パーキンソン病の患者さんでは脳深部刺激療法を行うことでドパミン製剤の内服を減らすことが可能です。その上で、薬物治療の副作用による運動障害や症状の日内変動を著しく改善することが期待できます。

慶應脳外科としての取り組み(特長)

慶應義塾大学病院脳神経外科での脳深部刺激療法の治療数は、この10年に260例(多くは両側刺激の症例)で、このうち70%が進行性パーキンソン病に対する治療です。パーキンソン病、ドーパミンおよびそのアゴニストによる内服治療が著しく有効ですが、投薬開始後5~10年で効果の低下と、副作用とされる日内変動、薬剤性ジスキネジア、精神症状などが出現します。このような進行性のパーキンソン病に視床下核DBSが著しく効果を示すことがよく知られています。当科では、慶應義塾関連施設ばかりでなく、都内および近郊の内科、脳神経外科、整形外科の医師からの紹介を受けて治療を行ってきました。

受診をご希望の患者さんへ

外来受診については、慶應義塾大学病院のホームページ内の「初めて受診する方」に詳細をお示ししておりますが、「予約制」「紹介制」をとらせていただいています。

  • 一人一人の患者さんを十分に診察、説明させていただきたく、またお待ちいただく時間を短縮するために、外来は予約制とさせていただいております。

  • 予約の際には、ご病状を速やかに把握させていただくため、現在かかりつけの医療機関からの紹介状をお持ちいただくようお願い申し上げます(紹介制)。これまでに受けた検査(MRIやCTなどの画像検査、採血検査など)の結果もお持ちいただけますとたいへん助かります。

  • お手数をおかけいたしますが、かかりつけの医療機関から、下記の予約方法で本疾患担当医師の外来を予約していただきたく存じます。


<脳神経外科外来の予約方法>
外来予約窓口:(電話)03-3353-1257 にお電話ください。
※外来予約窓口 受付時間:月~金曜日 8:30~19:00
(土曜日は17:00までの受付となります)
患者さんをご紹介される医療機関のみなさまへ

当院ホームページにご紹介に関する詳細をご説明しています。
こちらよりご確認ください。

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